沖縄ニュージーランド協会会報 VOL2 2011.5

第2回定時総会を開催!

沖縄ニュージーランド協会の第2回定時総会は4月22日、金城誠会長らが出席して那覇市内のレストランで開かれました。
会では、前年度の事業報告の後、議事に入り、今年度の事業計画が審議され事務局の提案通り承認されました。その後は、懇親会に移り、出席者らが近況を報告しあい交流を深めました。

会員の皆さんからの投稿

★ネルソンより★

実近良雄さん県費留学生の実近です。今年の2月からニュージーランドのネルソンという町に観光を学ぶために留学中です。2ヶ月あまりが過ぎ、ようやく生活も落ち着き、学校生活にも慣れてきました。しかし本当にこの間にNZ と日本では大きな出来事がありました。こちらに到着後まもなくクライストチャーチで地震があり、多くの日本人の方が犠牲となりました。日本でこれほどNZ がニュースの舞台として登場することはこれまであまりなかったことだと思います。私も、多くの日本の知人から連絡をいただきました。そして、そうこうしている間に、日本で地震が発生しました。


私がいるネルソンは南島の北端の小さな町です。3つの国立公園に囲まれていて、日照時間が長いことなどからNZ の自然やアクティビティを楽しむ拠点として人気が高い場所です。地震発生後、多くのキウィから「日本は大丈夫か?あなたの日本の家族は大丈夫か?」と声をかけられます。NZ でも日本の地震、津波、その後の影響などは連日大きなニュースとして取り上げられました。クライストチャーチでの地震の直後だったことなどから、キウィにとっても決して対岸の火事でなく、どこでも大きな話題として取り上げられています。私もこちらで開かれた日本のサポートイベントなどにも参加しましたが、関心は非常に高いです。
沖縄も同様でしょうが、NZ の観光業界は今回の一連の地震でNZ への日本人観光客、留学生の減少を懸念しています。クライストチャーチそして日本の一日も早い復興を祈るばかりです。


さて、沖縄はすっかり暖かくなっているようですが、今のNZ は秋です。紅葉が非常に美しく、朝晩の冷え込みも厳しくなってきました。人々の心配をよそに、NZ のダイナミックな自然は日々着実に冬支度をしています。留学生活では日々、NZ の様々なフィールドにでかけています。これまで沖縄の観光の現場や、多くの自然を見てきた経験から、いろいろな発見があり、非常に面白いです。もちろんNZ の自然の壮大さにも感動します。しかし沖縄の良さもあらためて感じます。特に沖縄の海の美しさはやはり世界に誇れるものだと再認識しました。先日学校で、パワーポイントを使ってNZ の学生に沖縄についてのプレゼンテーションをしましたが、沖縄の海の写真を見せると、キウィたちはそのつど感嘆の声を上げていました。今後も、NZ の良さを盗みつつ、沖縄の良さを再発見したいと思います。今後、NZ の観光政策などをブログなどにまとめたいと思っていますのでよろしくお願いします。 (会員 実近 良雄)

★ニュージーランドと沖縄★

南半球のニュージーランドまで片道9000キロ、一番近いオーストラリアへも2000キロと世界でも屈指の離島路線を飛んでいる航空会社が私たちニュージーランド航空です。1940年、南太平洋に広がる旧英国植民地の島々を結んだ1機の飛行艇がその歴史の始まりでした。後に“コーラルルート”と呼ばれるその路線は大航海時代さながらに大英帝国からタヒチ、クック諸島、トンガ、サモア、フィジー、そしてニュージーランドを繋ぐロマンあふれる空の道・・ニュージーランドと言えば“英語圏で森と湖の箱庭のような国”というイメージが強い様ですが実はハワイとイースター島、そしてニュージーランドを結ぶいわゆる“ポリネシア・トライアングル”の最南端の島でもあります。ラグビーのハカ【戦いの踊り】で知られる先住民族“マオリ”はまさにポリネシア系マオリ族でそのルーツはクック諸島。トンガとタヒチの中間にある小さな島からカヌーに乗り海を渡って来ました。文字を持たなかったポリネシア人の歴史は今日でも多くの謎を秘めています。世界史においてはキャプテンクックやアベルタスマンで知られる探検家により1600年代に発見されたニュージーランドですが、実際には西暦800年から1100年頃にはクック諸島マオリ人が到達していたようです。隣国のオーストラリアに比べ鉱物資源に恵まれず、圧倒的に小さい国土でありながら今日まで国家としてのプレゼンスを保てたことの大きな鍵が、「ニュージーランドスタイル」ともいえる第一次産業の成功にあります。旧宗主国である大英帝国からも距離的には一番遠い植民地であったニュージーランド。


430万人という人口から見ても国内需要の見込めないこの小国は北米やアジアを含めた消費市場への輸送コストという面ではあまりにも不利な場所にあります。その逆境を乗り越えられた最大の理由が、世界中から信頼されるNZ産食品の高い品質、既定の概念に囚われず果敢にチャレンジをする開拓者魂、そしてサステイナビリティ=持続性です。人類の営みの歴史が浅いこの土地は、当たり前のことですが土壌の力に恵まれています。この土の力を背景に、様々な農作物の品種改良が成功しました。代表的なものがキウイフルーツや酪農・牧畜とワインです。世界中に吹き荒れるBSEのカオスの中でニュージーランドの食肉産業は全く影響を受けませんでしたし、酪農業における国際市場最大手の会社はニュージーランドにあります。日本と歴史的には全く同じくらいにスタートしたニュージーランドのワイン生産は今や新世界ワインの旗手といわれるほどに成長し、2009年末にはなんと643ものワイナリーが世界市場を目指し競い合う活況を呈しています。これらを含めた農作物はすべて輸出を念頭に生産されていると言っても過言ではありません。この国際市場において最も重要なファクターは“安定した高い品質”の“持続的供給”です。観光産業もまた経済を支える大きな産業です。全人口の10%は観光産業に従事しているニュージーランドでは、やはり“持続可能な”観光資源の活用が必要不可欠です。このためにニュージーランドの観光には様々な規制が存在します。


良く知られているのが国立公園への立ち入り規制で、たとえばハイキングコースの歩行に環境省が予約許可制を施行しているというこの国独特のルールや環境生態系保護の観点からのトンネル建設の禁止です。このような徹底した観光資源の保全がニュージーランドの美しいイメージを造っているのです。昨年11月の統計によれば世界各国からニュージーランドを訪問する観光客数は年間250万人余り。そのうちの半分はオーストラリアを含む近隣諸国からの訪問者ですし、そもそもこの数字は沖縄の観光客数の半分以下でしかありません。ただ、沖縄とニュージーランドの大きな違いは沖縄が圧倒的に人口の多い日本の国内人口に支えられており、ニュージーランドはその地理的特性から歴史的に海外市場を目指さざるを得なかったということにあるのです。今、日本を含めた国際情勢は大きな変革を遂げようとしています。そして沖縄もまた、農業・経済を取り巻く流れの中で変革を余儀なくされる可能性が決して低くはありません。国際市場を意識した時に、ニュージーランドの目指してきた方向性は極めて興味深い参考になるのではないでしょうか?? 沖縄ニュージーランド協会を通じまして、この2つの愛するべき地域の人々の交流と、相互物流の促進をお手伝いする事が出来ましたなら大変幸甚に思います。(会員ニュージーランド航空江本淳)

★ニュージーランドから沖縄に移り住んで30年以上★

こちらの生活にもすっかり馴染んで熟成している。 しかし、ひとつの困ったことは消えない。その問題は、着る物の買いもの。特に靴! 私はニュージーランド人だから、アジアの人と体のカタチもがちがうし大きい。その上長年の焼物の仕事で、大きなろくろを裸足で蹴って分厚い足になって、土や薪などを運んでいるうちに腕も胸もごっつい体になった。


25年ほど前に石垣島に住んでいた頃、友達の宮古島の実家に遊びに行くことになった。石垣島では草履しか履いてなくて、靴を持っていなかった。飛行機に乗って友人の実家に行くには靴が必要だ、と靴を探しに行った。石垣島では私の足のサイズ(29cm)に合う靴を売っているのを見たことなかった。島内中の靴屋を探しまわってやっと1足だけ見つけることができた。その靴は、まっ白の皮靴で、つま先は細くとんがっていた。ノーチョイス。それをしぶしぶ買って宮古島へ履いていった。会う人みんなに「このくつなんだ??」って笑われた。 宮古島の友達の実家のトイレはとても小さかった。トイレに入って、ドア閉めて、ズボンをぬいだのに、どこを向いても膝が壁にぶつかって座りきれない。まったく足が入らない。うんちしたくてしょうがない。外のトイレでやっとできた。 沖縄にはアメリカの基地があるから大きな服を探すのが簡単と思われるけれど 、私はニュージーランド人だからベースの中の店には入れないし、ミリタリーのファッション、私に似合う・・?
今でも、胸に合ったサイズの服を見つけても、腕は10センチくらい短いし、丈もへそまでしか届かないとか、靴も好きなデザインはだいたい27センチくらいまで探すのはとても辛い。 だから、私の服のコーディネートがおかしいと思ってる人、今ならなんでかわかるでしょ(笑)


今は、好きなデザインを探すより最初から店のスタッフにサイズに合ったものを見せてもらう。その中に自分の好きなデザインがあることをいつも願っている! 最近やっとサイズのぴったり合っている凄く気に入ったズボンとジャケットを見つけた。これはお祝いだ!その晩に美味しいワインをあけて飲んでしまった。自分の生まれた国より沖縄の方が長く住んでいるから、私のホームカントリーはどこかわからない。15年くらい前から、NZに遊びに行くと、いつも「どこの国の人?」と聞かれる。私は純粋キウイイングリッシュをしゃべっていると思っていたけど、グラマーは問題はないらしいが、沖縄なまりのイングリッシュになってしまったみたい。 夏のNZはサマータイム(1時間早くなる、daylight saving) だいたい夜9時ごろにやっと暗くなる。田舎の方では店が6時ごろ早く閉まる。その時間にまだ太陽が上の方にある。沖縄のように陽が落ち始めるころ夕食の買い物に出ると、そのころは遅すぎる。これは何回も失敗している。
私はさしみが大好き。ニュージーランドでは生で食べる刺身文化がなくて、海から店までの魚の運び方や管理が日本よりきちんとしていないから、さしみがなかなか食べられない。フレッシュフィッシュと言われても、見た感じは刺身で食べられそうにない。いつも残念に思っている。(会員 ポール・ロリマー 陶芸家)
http://paul-lorimer.com/contact-us/

【編集後記】

“未曾有”の出来事が頻発したこの数ヶ月間、会員の皆さまそれぞれにいろんな思いを持ちながら過ごされたことでしょう。
私も普通であることがいかに素晴らしいことなのかをココロに刻みながら毎日を楽しく過ごしていこうと思っています。(広報担当 池原あかね)